こんにゃく芋は、毒?

 「こんにゃく芋は、イノシシから食べられない」という話があります。

こんにゃく芋は、サトイモ科の植物で、「シュウ酸カルシウム」を含んでいます。

「シュウ酸カルシウム」は水不溶性で、細かい針状結晶となっていて、少量が粘膜や皮膚に触れることでかゆみから灼熱感に至る激しい痛みをおこす劇薬に指定されたいます。

そんな、「食べられない」こんにゃく芋を工夫して食べれるようにしたのが「こんにゃく」になるのですが、そこには先人のどういう思いがあったのか、とても気になります。

 

こんにゃく芋は、手のかかる作物

 こんにゃく芋は、じゃが芋と同様にタネイモから増やしますが、じゃが芋と違って成長するのになんと、2~3年かかります。

まず、人の指ほどの大きさの生子(きご)という種芋を春に植え付け、この生子を秋に一度収穫したものを1年生。

こんにゃく芋は低温に弱い為、冬の間は暖かいところで保管し(これも難しい)、次の春に再植付けし、秋に収穫したものが2年生。

また、次の春に植えてその年の秋に収穫したものを3年生と呼びます。

生子から1年生では5~10倍に、1年生から2年生ではさらに5~8倍に成長し、3年生になると大きいもので直径30cmほどに成長します。

こんにゃく作りに適しているのはこの3年生なので、そこまで時間をかけて育てているのです。

 

こんにゃく芋の生産地、1位は群馬県

こんにゃく芋の生産地1位は群馬県です。全国でなんと9割以上が群馬県で生産されています。

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しかし、どうして群馬県なのでしょうか?

1つに、品種改良に努め、従来のものよりも強く、収穫も早くできるようにしたのが群馬県であったこと。

もう1つに、こんにゃく芋を作るのに適した土壌がたくさんあることが、要因と言われています。主産地である赤城山麓の国大な暖斜面や火山灰の土壌が、湿気を嫌うこんにゃく芋の栽培にとても適していたんですね。

 

こんにゃく芋の種類

こんにゃく芋のルーツは東南アジアと言われています。今でも東南アジアには数多くのこんにゃく芋の仲間が自生し、その種類は約130種といわれています。しかし、その多くは日本のこんにゃく芋と品種が違い、こんにゃくマンナンという食物繊維の含まれないこんにゃく芋で、加工しても固まらず、こんにゃく作りには適しませんでした。最近では中国をはじめ東南アジアの各国においても、日本向けに食用として栽培し輸出しています。

日本で流通しているこんにゃく芋は、9割が国内産です(WTO農業交渉とこんにゃく産業PDFより)。

 

現在では、「はるなくろ」、「あかぎおおだま」、「みやままさり」の3品種で生産の98%以上を占めています。

日本には、古くから栽培されていた「在来種」という品種があり、粘度が高く品質的にもっともすぐれているとされていまいたが、病気に弱く、気象状況にも影響を受けやすく、栽培が難しいものでした。また「備中種」という種類もありましたが、それぞれが似た性質を持っていたため、掛け合せて品種改良することが難しいとされていました。大正時代に中国から「支那種」という種類を輸入することで、ようやく、より栽培しやすい品種を作ることに成功し、「はるなくろ」、「あかぎおおだま」、「みやままさり」という改良種が誕生しました。

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参考資料: こんにゃくをめぐる事情-農林水産省